料理長　佐々塚 雅也

料理人としてのこだわり

料理の世界に足を踏み入れたのは、和食にしかない“静けさ”と“奥行き”に惹かれたからです。
派手な演出や、強い味付けではなく、素材の声に耳を澄ませて仕上げる料理。
その世界を本気で知りたくて、京都で修行を始めました。

京都の和食は、味も所作もとにかく繊細で、最初はその「丁寧すぎる世界」に圧倒されました。
しかし、だからこそ、学べることが本当に多かった。
出汁ひとつ、切り方ひとつにまで意味があり、そこに向き合い続ける日々は、今でも自分の料理の土台になっています。

私が一番大切にしているのは、素材の“今”を料理にすること。
季節の移ろいを感じられる食材を、自分の目と舌で確かめて仕入れ、どう調理すれば一番その良さが伝わるかを常に考えています。

和食の魅力は、余白にあると感じています。
味を決めすぎない、見せすぎない。
その余白があるからこそ、食べる人が自由に感じ取れるんです。
料理は、食べる人の人生とそっと交差するもの。私は、その瞬間を大切にしたい。

派手さはないけれど、まっすぐで、誠実で、静かに記憶に残る一皿。
そんな料理を、これからも作り続けていきたいと思っています。

料理長　佐々塚 雅也
京都にて10年の修行、名古屋での独立開業10年を経て、鎌倉の「日本料理吟」にて料理長を6年勤める

オーナー　佐藤 宏憲

カリフォルニアワインへの想い

私は元来お酒が好きで、ビール、日本酒、ワインなど学生時代からよく飲んでおりました。

特にワインが好きになったきっかけは、ある女性と会った際、その人のうんちくを聞いてちょっと驚いたことが始まりです。

白ワインを注文した際に「このワインは草を刈ったような匂いがしませんか？」、また次のワインでは「これは新聞紙とかガソリン臭い匂いがしませんか？」といった表現に触れ、当時の自分は非常に驚いたことを鮮明に記憶しています。後に思えばソーヴィニヨン・ブランとリースリングに関するごく一般的な表現なのですが、その時の自分にはとても興味深く感じました。お酒の中でも、このワインという飲み物はあらゆる可能性を秘めた神秘的なものだと思います。

ワインの中でも白ワイン、特にシャルドネが一番好みだった私は、銘醸地であるブルゴーニュのシャルドネを買い漁り、色々と飲み比べました。シャルドネはやはりブルゴーニュが一番だと思っていた最中、その概念を覆すワインに出会いました。

それは箱根にあるホテルで和食のコースを頂いている際に起きた出来事です。そこのソムリエと会話している中で、自分がシャルドネ好きであることを伝えると、彼がぜひ飲んでいただきたい1本があると勧めてくれたワインとの出会いでした。そのワインは非常に大きいグラスに注がれ、その最中から木なりの熟したフルーツの香りが立ち込め、一口含んだ瞬間からまさにネクターか飲むオリーブオイルのような感じで、今までに味わったことのない衝撃だったことを今でも鮮明に覚えております。

そのワインの名前は「Marcassin」です。ヘレン・ターリー女史が手がけるこのワインは、ピノ・ノワールとシャルドネでロバート・パーカー100点満点を獲得しており、その回数はピノ・ノワールで3回、シャルドネで7回、合計10回にも及ぶ世界的なワインの一つです。

さらにこのシャルドネは、1986年にDRCのモンラッシェが100点をシャルドネで獲得して以来、カリフォルニアで初めて100点を取ったワインでもあります。

このワインに出会った時から、私はカリフォルニアワインの虜となりました。

そして、たくさんのカリフォルニアワインを飲むきっかけとなりました。カリフォルニアワインには、マーカッシンのような素晴らしいワインが綺羅星のごとくたくさんあります。

皆さまにもこの感動をぜひ味わっていただきたいと思います。ご自身で人生を変える一本を探してみてください。そのお手伝いができれば幸いです。

オーナー　佐藤 宏憲
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
Napa Valley Wine Japan Enthusiast
唎酒師